ひとつ、屋根の下で
「つーか、別に考え無しに言ってないから。そういう感情わかんなかったら今回の漫画かけねーんだから、むしろなんとも思わなかったら問題だろ」
「え?」
「今日はハグまでな?」
そう言ってにっこり笑い、凌は私を抱きしめていた腕を解いた。
「……きょ、今日、は……?」
嫌な予感がしながらも訊く。
すると、凌は笑みを深めた。
「明日はチューで」
「!?」
衝撃の言葉に、思わず目を見開いた。
「そ、そんなことするわけないでしょーーーっ!!」
ふざけんなーーーっ!!
そう叫びながらドカッとおもいっきり凌のお腹を殴った。
そしてかぶっていたウィッグをポイッとベッドの上に投げ捨て、私はくるりと身体の向きを変え、部屋を飛び出した。
「いってぇーーっ!!」