流れ星デイズ
「それで、大学一日目は、どうだった?」
「うん。広くて、人がたくさんいた」
「男の子も、たくさん?」
「うん」
「じゃあ、これからは食べ放題ね!」
これまで三年間、私は女子高に通っていた。
男性の声しか食べられない私にとってそれは、学校にいる間ほとんど何も食べられないということ。
ママは、私の空腹をずっと案じていた。
「たくさん食べて、お友達を作って……楽しみなことがいっぱいね!」
ママの目に映っている娘の未来にあるのは、あふれる希望だけ。
それが私には負担で、また、それを叶えてあげられそうにない自分が不甲斐なくて。
「ごめん……疲れたから、今日はもう寝るね」
「あら、もう寝るの?大丈夫?」
戸惑うママを残して、私は二階へ向かった。