流れ星デイズ
そんな経験をすると、この世界で、想いを通わせることができるたった二人が出会える確率に思いを馳せるようになった。
いろんな人の想いを断ち切った痛みが、通じ合うことの奇跡を教えてくれる。
ますます、圭吾さんへの想いが募っていく。
大切に大切にしたいって、思う。
海の家でのライブ以来、私達は頻繁に連絡を取り合って、互いが空いている時間を見つけては逢うようになった。
圭吾さんのバイト先の最寄り駅で待ち合わせて、彼の昼食につき合って、それから街中をぶらぶらするのが定番。
あまり出歩いたことのなかった私は、自宅からそう遠くない街のことさえよく知らなくて、いろんなものが珍しい。
CDショップで音楽鑑賞のレクチャーを受けたり、古着屋を物色したり。
そのとき、必ず手をつないでいることが二人の約束。
「どうして?」
尋ねると、彼は。
「小さくて危なっかしいから、つかまえとかないと落ち着かない」
だって。
その声は、とても、とても甘い。
大きな手に包まれて、私はもう彼から離れられない。