流れ星デイズ
「……圭吾さん……」
どうして?
圭吾さんが私に届けたい物なんて。
封筒を握る手には、紙ではない、硬い厚みを感じる。
一体何が入っているのだろう。
嬉しいけれど、恐い。
見たいけれど、見たくない。
乱れる心に戸惑う指先。
それでも、きっと期待のほうが勝っていたんだろう。
一度ハサミを握ったこの手は、しっかりと動き目的を果たした。
そして中身を取り出す。
入っていたのは、一枚のCDだった。
他には何もない。
ただ、透明なケースに納まっている真っ白なそれには付箋がついていて、こう記されていた。
『Sir.jukeデビュー曲』
私は辺りを見渡し、再生する機器がないことを確認するや否や、コートを引っ掴んで部屋から飛び出した。