流れ星デイズ
「沙妃、入るよ」
私が意識を取り戻したと聞いて、まもなく綾乃が駆けつけてくれた。
目が合うなり歪んだその表情から、自分の状況がいかに悲惨なものか思い知る。
綾乃は素直だから隠せない。
驚きも、痛みも、悲しみも、あわれみも。
「ひさしぶり、だね」
私が発したふにゃふにゃの声を聞いて、綾乃はようやく思い出したように、ぎこちない笑顔を作った。
「ねえ、圭吾くんから手紙がきたんだって?」
いつものように努めようと、調子はずれの明るい声で、ベッドサイドに腰を下ろした綾乃が尋ねてきた。
「どうして知ってるの?」
「未耶子おばさんから聞いた」
もう、ママったら。
呆れたけれど、それは私にとって久しぶりの平和な感情だった。
でも、それもまたすぐに荒波に変わる。
「で、CDは聴いた?」
まさか綾乃がそこまで知っているとは思わなかった。
あまりに驚いた私を見て、綾乃は「とある情報筋から、ちょっとね」と苦笑いする。
それで、なんとなく察した。
綾乃と圭吾さんは、あんなことがあったけれど、今でもつながりを絶ってはいないのだと。