流れ星デイズ
やっぱり、らしくないことを言った自覚があるらしい。
圭吾さんは、その茶色い癖毛の中にくしゃ、と指を差しこんで頭をかいた。
無表情を装っているくせに、頬は赤みを隠せていない。
でも、何か言いたげに動く唇の理由は、照れてるせいなんかじゃなかった。
「……あの、さ」
しばらくさまよった瞳が、意を決したように私をとらえて。
「……全部、聞いたよ」
何を、なんて聞かなくても分かる。
「声、食べてたって」
罰を言い渡された囚人のように、私は目を閉じる。
ああ、知られてしまった。
裏切られたと思った?
隠し続けていたことに傷ついた?
最低な奴だと、怒ってる?
どんな言葉でも到底足りない。
せめてもと私の精一杯で探し出せたのは、これしかなかった。
「ごめんなさい」
でも、それはまたしても意外な反応にさえぎられた。