流れ星デイズ




「うまいの?俺の声」




おそるおそる見上げると、今までにないほど目を輝かせている圭吾さんがいた。


知りたがりやの子供みたいな。


まるで、私の答えに期待しているような。


そんな瞳に促されて、私はウサギのため息のような声で言った。


「おいしいよ。世界で、いちばん」


すると、圭吾さんは「そっか」と満足げに笑った。




笑ってくれた。


怒ってないの?


私、許してもらえるの?




「ねえ」


信じられない気持ちで見つめていたら、その瞳に急に影が落ちた。




「俺の『好き』と、沙妃ちゃんの『好き』は違うの?」




私の『好き』と、圭吾さんの『好き』は違う。




それは、あのとき私が最後に言った言葉。


胸をちぎりながらついた、嘘。

< 275 / 282 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop