流れ星デイズ
額のぬくもりが離れる。
それを寂しく感じる前に、大好きな彼の指が、頬に伝っていた涙をぬぐった。
「覚えてるよ」
そして圭吾さんは立ち上がり、窓際まで歩いていくと、カーテンの合わせ目に手をかけた。
すると、そこからまぶしい光がこんこんとあふれ出してきた。
私は息を飲む。
ほんのわずかな隙間から、窮屈なくらい寄り添い合っている星の群れが見えるのだ。
「……きれい……」
それから圭吾さんは、素敵なサプライズをじらす魔法使いみたいに、ゆっくりとカーテンを引いた。
現れたのは、満点の星空。
研究所でも、ここまでの景色は見られなかったのに。
こんな都会に近い場所で、こんな星達に出会えるなんて。
枕に埋もれる首を精一杯伸ばして見とれていると、いつの間にか傍に戻ってきていた圭吾さんが、私を抱き起こして、体を毛布でくるんでくれた。
そして後ろから抱きすくめられる。
私は広い胸を背もたれにして、窓の外を悠々と眺めることができるようになった。