流れ星デイズ
「どうしたの?」
見上げると、心配そうに表情を曇らせる綾乃がいた。
私は言葉につまる。
置いて行かないで、なんて言えない。
思わず目を逸らすと。
「大丈夫!今までどおり、沙妃にはあたしがついてるんだから!」
もう一度見上げれば、胸を張った笑顔の綾乃。
いつだって、綾乃は私の欲しい言葉をくれる。
だから私は、満開の桜の下でも不安につぶされずにいられる。
「大丈夫、だよね」
確かめるようにつぶやくと、綾乃は優しくうなずいてくれた。