流れ星デイズ


対策を講じようと、さまざまなシチュエーションを想像していたところへ、圭吾さんの声が降ってきた。




「食べる?」




「えっ!?」


思考を見透かされたのかと、息が止まりそうになった。


あまりに驚く私に、圭吾さんも驚いている。


でも、その長くて綺麗な指がさしていたのは、ポップコーンやドリンクの売店だった。




……そっちのことか。




「私は、そういうの食べられないから……」


胸をなでおろしながら答えると。


「そうか。ごめん、すっかり忘れてた」


圭吾さんは、申し訳なさそうに眉を下げた。


ああ、せっかくの親切も、この体質は嫌な形に変えてしまう。


お互いに「ごめんなさい」のオウム返し。




そのとき、思った。


今まで圭吾さんのこんな優しさに触れてきた女の子はどれくらいいるのだろう、と。


ライブであんなに大きな声援を浴びていた人なんだもん、きっとたくさんいるはず。


そして、みんな元気で不自由なんて一つもない可愛い子だったんだろう。




じゃあ、どうして圭吾さんは今、私なんかと一緒にいるの?




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