流れ星デイズ
「沙妃ちゃん、おかえりなさい」
元気に玄関へ駆けつけてくれたママ。
でも、今日はその大好きな顔を、見ることができない。
私は「ただいま」もそぞろに二階の部屋へ上がった。
バッグを放り投げて真っ先に窓を開ける。
ほてる頬に冷たい風が気持ちいい。
見上げると、雨によく洗われて澄んだ空に、いつもよりたくさんの星がきらめいている。
いくつもの星座を指でなぞってみるけれど、落ち着けない。
胸が痛い。
でも、それは川崎先生のお世話になる類のものじゃない。
初めてだけど分かる。
病気とは違う。
甘い、甘い、痛み。
私は、自分が変わっていく予感に体がちぎれそうだった。