流れ星デイズ
第五章『育つ想い』

今度、晴れたら





ドライブに行こう。




そう約束して、どれくらい経っただろう。


あれから梅雨は本領を発揮して、昨日までずっと雨、今日も雨、きっと明日も、雨。


圭吾さんから誘いのメールがあったけれど、運悪く大学でのテストが控えていて、断らざるを得なかった。




ほんとは、今すぐにでも会いたい。


ため息ばかりで勉強に手がつかない。


気持ちを持て余して、どうしたらいいのか分からない。




星座図鑑や宇宙の本を開いて、気を紛らわせてみる。


ぼんやりページをめくっていると、なぜかライブの記憶がよみがえってきた。




みんな、夢に向かってまっすぐだった。


圭吾さんは、「歌で食っていく」って言ってた。




それなのに、私はどう?


心の弱さに挫けて、自分から夢への道を断ったのに、未練がましく思い続けていて。


これが自分の選んだ道なのに、やるべきこともしないで悔やんでばかり。




気持ちは決して縮んでなどいない。


できるなら、今からでも星の勉強をしたいくらい。




でも、もう遅い。


この現実は、どうやっても変えられない。




だったら、頑張っている圭吾さんや綾乃達に恥ずかしくないように、せめてテストで良い点数を取らなきゃ。


私は浮ついた心をしずめ、読み散らかした本を片づけて机に向かった。

< 74 / 282 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop