流れ星デイズ
第五章『育つ想い』
今度、晴れたら
ドライブに行こう。
そう約束して、どれくらい経っただろう。
あれから梅雨は本領を発揮して、昨日までずっと雨、今日も雨、きっと明日も、雨。
圭吾さんから誘いのメールがあったけれど、運悪く大学でのテストが控えていて、断らざるを得なかった。
ほんとは、今すぐにでも会いたい。
ため息ばかりで勉強に手がつかない。
気持ちを持て余して、どうしたらいいのか分からない。
星座図鑑や宇宙の本を開いて、気を紛らわせてみる。
ぼんやりページをめくっていると、なぜかライブの記憶がよみがえってきた。
みんな、夢に向かってまっすぐだった。
圭吾さんは、「歌で食っていく」って言ってた。
それなのに、私はどう?
心の弱さに挫けて、自分から夢への道を断ったのに、未練がましく思い続けていて。
これが自分の選んだ道なのに、やるべきこともしないで悔やんでばかり。
気持ちは決して縮んでなどいない。
できるなら、今からでも星の勉強をしたいくらい。
でも、もう遅い。
この現実は、どうやっても変えられない。
だったら、頑張っている圭吾さんや綾乃達に恥ずかしくないように、せめてテストで良い点数を取らなきゃ。
私は浮ついた心をしずめ、読み散らかした本を片づけて机に向かった。