流れ星デイズ
星が大好き。
私は、改めて実感した。
そのとき、シートの肘掛けに乗せていた手に、あたたかい何かを感じた。
驚きすぎて声が出せない。
身動きもできないまま、視線だけでちらりと確認してみると、圭吾さんが私の手を握ってる。
いや、握るというよりは、包みこむという感じ。
大きくて少し湿った手が、この手に優しく触れていた。
こんなシチュエーション、ドラマや漫画だけのものだと思ってたのに、まさか自分の身に降りかかるなんて。
全身が心臓になったみたいに脈打ってる。
触れているところからこの激しい鼓動が伝わってしまいそう。……
せっかくの星空のスクリーンも見ないで、ぎゅっと目をつぶっていると。
「いつか、本物の星を見に行こう」
小さな小さな声だった。
だから、きっと私じゃなきゃ聞き取れなかった。
彼の声にすべてを奪われている、私じゃなければ。
めまいのするほど、甘い、約束。
私はそれを大切に溶かして、大切に飲みこんだ。
圭吾さんと一緒なら、きっと星はもっと綺麗にまたたくはず。
体の奥が、あったかい。
まぶたを開けて、そっと隣を見ると、あの澄んだ瞳にさらわれた。