流れ星デイズ
まもなく電車は私達の降りる駅に到着した。
駅の前には、大きな公園がある。
数年前、ここで歌っていたストリートミュージシャンが立て続けにデビューし、次々ブレイクしたことから、『聖地』と呼ばれている場所。
そんな『聖地』の周辺に、綾乃の向かうスタジオはあるらしい。
「沙妃って、いつもここで食べてるんでしょ?」
公園を指差しながら小声で問う綾乃に、私はうなずくだけの返事をする。
「しっかり食べて、体力つけなさいよ!」
別れる間際まで、綾乃はお節介ばかり。
「じゃあ、明日から頑張ろうね!」
「……うん」
でも、別れ際でさえ笑顔を曇らせて心配をかけるような私じゃ、お節介を焼かれても仕方なかった。