4文字のあいしてる【完】
化粧ポーチの中からメイク道具を取り出し、私を変身させていくお母さん。まるでシンデレラの魔法使いみたい。



「奏、ちょっと目瞑って。うん。さすが愛娘。可愛い。目開けてもいいわよ」




鏡に映る私はまるで別人。本当にシンデレラみたい。





私の肩につくくらいの髪は編み込みでカチューシャみたいになってて頬はピンクのチークが薄く塗られている。


目にはキラキラのラメが散りばめられていて、まつ毛はバサバサしていて目が大きく見える。こんな自分知らない。




なんか頑張りすぎてて逆に恥ずかしい。




でもやっぱり嬉しい。


「楽しんでらっしゃいね」



ニコニコと笑顔で手を振るお母さんに手を振り返して、照れ臭い気分とウキウキした気持ちを抱えながら私は待ち合わせ場所に向かった。
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