くじら喫茶
その女の子のカバンに“にしむらゆめ”と書いてあった。

「あっ夢ちゃん…いいものあげる」

そういうと私の方を向いた。

彼女の前に手を差し出して、はいと渡した。

「魔法のキャンディーだよ。これ舐めて元気になってね」

とニコッと笑うと、ありがとうと微かな声で言った。

「夢ちゃん。これからは気をつけてね」

と言ってバイバイと手を振ると、

鼻を擦りながら彼女が手を振った。

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