白というイロ。



「あ、そうそう。昨日、クラスの子たちが来たんだって?」


「あー、うん。誰かに聞いたの?」


「そう、秋山くんたちに。美人なお姉さんに会ったって興奮してた」


「なるほど。...美人でしょ?」


「はいはい、美人なのはわかってるよ。明子さん今日も来るの?」


「うん、もうすぐ仕事終わるし来ると思う。会ってきなよ」



彼に会いに行くと、お父さんお母さん。そして、時々お姉さんである明子さんもいる。儚げに立ち振る舞う姿もそっと緩める紅い唇も。彼が自慢気に言う通り、とても綺麗な人だと思う。

私は二人の会話に入ることなく、柔らかい雰囲気を纏う彼らを眺めている時の方が多いかもしれない。そのくらい居心地のいい空間なのだ。



「でも宿題終わってないし」


「いいよ、僕が教える」


「...これ、言っていいのかわからないけど」


「ゆっくり言ってみて」


「...私、多分横山くんより頭良いよ」






「......ぷ、そっか!あははっ」



暫しの沈黙の後、笑いだした彼に誘われて。

私も面白くもないのに馬鹿みたいに笑ってしまった。

ドアの外には明子さんが立っているとも知らず。





( 遠くに見えた夕焼けを、今は抱けるの )



仕方ない。

宿題は、帰ってからやることにしよう。














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