白の偽り姫
もう少しで私たちの出番だ。

というかみんな手を繋いでいたり、腕を組んだりしている。

すごい人はお姫様だっこしてるよ…。

私たちは別に付き合ってる訳でもないから繋ぐ必要ないよね。


というか今日は頑張ってヒールはいてきたけどもう疲れてきた。

花道こけずに歩けるかな…。



「せなちゃん、ヒール馴れてないの？」



そんな私に気がついたのか冬汰先輩が話しかけてきてくれた。



『はい。あまりはかないもので、ちょっと疲れちゃいました。でも大丈夫です！花道はしっかり歩くので！』



すると先輩は手を差し出してきた。



「手繋いだほうが少しは楽かなって…。」



『ありがとうございます。』



今まで男の子に優しくされたことなんてないからドキドキしてしまう。



予想以上のお客さんに私は緊張を隠せなかった。

無事に終わり、結果発表は学校祭の最後にするという。
< 26 / 40 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop