白の偽り姫

・入学式

「只今より、桜木高校の入学式を始めます。」



桜木高校はS市でも有名な私立学校。


私は中学卒業とともにA県から隣のS県に引っ越してきた。

お母さんに負担をかけたくなくて家から一番近いこの高校を選んだ。


ここに入学するためにもう勉強した。


制服がとても可愛いから何度も着て、鏡の前でポーズをとってみたりした。


・・・この高校には顔見知りもいなければ、私の過去を知る者もいない。




((死んでしまえばいいのに。))





私はコンプレックスのせいで何度も生まれてきたことを後悔した。

でも引っ越しが決まってから私は思った。


高校に入ったら絶対に変わってやるって。

だからこの日をすごく楽しみにしていた。

ハゲ校長の話なんかそっちのけで私は楽しい学校生活の妄想を繰り広げていた。

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