恋の華が舞う季節
学校に着くと、何だか一気に現実に引き戻された。


私達は先生に見つからないように、こそこそ自転車から降りて、そのまま自転車置き場へ向かった。


「秦……」


「何?」


「私、この指輪を秦だと思って、過ごすから!
 クラス違っても、一緒だよ」


「ああ」


貴方の笑顔を――


貴方への想いを――


この指輪を見る度に、想い出す。



「じゃ、行くね」


「おう! 俺も、そろそろ行くから」


「じゃ、また放課後ね!」


「じゃ!」



それぞれの教室に、私達は入った。



「結ー衣! どうだった?!」


「蜜柑!! 何楽しいそうに、見てるのよ?!
 私、びっくりしたんだから……」


「そう言いつつも、その指輪は、何かな~?」


「これは!!」
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