恋の華が舞う季節
――『俺からの、プレゼント。
 葵って奴に負けたくないからな』


「何赤くなってるの~?」


「いいじゃん~」


「そうそう、秦と私従兄弟なんだ。
 知ってた?」


「う……嘘ー―――!」


「だ・か・ら結衣の事も、聞いてるんだよ~。
 これ秘密ね」


「うん」


そういや、どことなく……似てる?



「秦、本気だからね。
 ちゃんと、好きになってあげなよ?

 今まで置き去りにしてきたんでしょ?
 秦はああ見えて、意外と繊細だから」


「そう……なの?」


「今だから言うけど……結衣にフラれたあの後……。
 秦、涙を流して何度も結衣の名前を、呼んだんだよ?

 あそこまで、秦が壊れるなんて思ってもいなかったから、びっくりした」



蜜柑から告げられた事実。


初めて知った。


あの後、そんなことがあったなんて……
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