恋の華が舞う季節
――蜜柑……


「転校やっぱり、するんだよね……。
 結衣達ならきっと、乗り越えられるよ!

 一生会えないわけじゃないんだし!!
 ね! さ、元気出して」


――“結衣達ならきっと、乗り越えられるよ!”


――“一生会えないわけじゃないんだし!!”



何で……


そんな事言い切れるの?!



「……勝手なこと、言わないでよ!!」



思った以上に、声が大きくなる。


しんと静まり返る教室。


みんなの視線が私に集中する。



「何も知らない蜜柑が、私の気持ちが分かる?!

 簡単に分かったようなふりしないでよ!!」



何でこんなに、私はキレてしまったんだろう。


本当に取り返しのつかないことをしたことに気付いた。



「――結衣……?」



「私……秦とは、別れた!」
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