恋の華が舞う季節
何も考えたくない。


いっそ、このまま空気と一緒に消えてしまえれば楽なのに。



私なんて……いなければ――


誰かを傷つけずにすむのかな……?


ふと私は教室に戻り、筆箱からあるものを取り出した。



誰もが簡単に手に入る、はさみ。


私ははさみの刃の部分を、手首に近づけた。
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