恋の華が舞う季節
カーテンが風によって、ふわりとあがる。


その様子をじっと見つめ、またあの指輪を見つめた。



――『結衣は、一生俺のだからな』



私もう、後悔したくない。



恋して、傷ついて、涙を流すなんてもう、まっぴら。



あの人だけで――十分。


いっぱいんだ。


溢れて溢れて、どうしようもないくらいの想いが。


絶えれないよ。


久しぶりに、あの指輪を薬指にはめた。


そしてそのまままた、眠りについた。
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