恋の華が舞う季節
私は追いかけずに、ただ、動けなくなった。


「結衣――」


今、ここにあるもの。



「樹!」



私はまたあの時のように樹に甘えてしまった。


「結衣……」


樹にすっぽりと、おさまった私。


何も言わずに、抱きしめてくれる樹。



そういう優しさに、何度も助けられた。
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