恋の華が舞う季節
好きな人に、
本当に好きな人に――


“幸せになってもらいたい”



なんて嘘。



本当は、泣きたくて辛くてそれでもなお、愛しい。



「結衣、俺はお前が好きだ。
 でもお前の中には、アイツがいるんだろう?」



――そう……だよ



本当に辛い時に
馬鹿みたいに私を好きになってくれて
直球に伝えてくれる言葉は、飾った言葉よりも真っ直ぐに伝わった。



秦が――
好きで好きすぎて、離してしまった。



「私! 私――」


「俺は、結衣を離したくない。
 出来るなら、このままアイツから、かっさらって、奪いたい。

 でもお前は、アイツが好きなんだ!

 行けよ!!
 ちゃんと気持ち、伝えないと進めないだろう?!」
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