恋の華が舞う季節
「……はぁ……」


薬指にあのリングをつける。


これは私の一種の“決意”


今のこの気持ちを犠牲にしてでも、守りたいものがあるの。


秦は純粋に私を想ってくれている。


それだけは分かってる。


でもね、私はその純粋さに甘えちゃいけないんだ。


あの日から――


もう、ね……無理なの。


もしも、秦があの時にいたら――?

その問いかけにふと、笑みがこぼれた。


もしかしたらあの事が無かったら私は秦の事を、素直に受け入れてたのかもしれない。


運命って本当、皮肉ね。
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