恋の華が舞う季節
やっぱり気付いていたんだ……。



「こっから電車に乗るから」


「え?」


「いいから、行こうぜ?」



「う……ん」



どこに向かってるかも分からない中、私は不安がいっぱいだった。


このまま樹だけを思いたい。



私の心の中にある、秦の姿を消してしまえば。


ううん、違う。



消しちゃ駄目。

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