恋の華が舞う季節
「ねぇ、蜜柑……いつから私達、こんな風になっちゃったのかなぁ……」



「――さぁ……?」



「私蜜柑に最低なことをした。
 一番大切な“親友”をあんな形で、裏切ってしまって、本当にごめん……」



私は頭を下げた。


今更、許してもらえなくても私が、全部、悪かったんだ……。




「もう怒ってないよ。

 そのことはね……。
 でも――結衣は、自分の気持ちを押し込めて、私と秦の関係を壊そうとはしなかったよね?

 あれは、優しさじゃなかった!」



うん。

私は弱かった。


蜜柑と秦を、遠くから見ていて、傷つくことが嫌で逃げてきた。

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