恋の華が舞う季節
「どうして秦に……会いに行かなかったの?
 私がいたから、遠慮したの?」



「……行けなかった。

 自分が恐くて、どうしようもない時に……傘を差してくれたのが――樹だった」



本当に本当に辛い時、温かく、優しく見てくれたの。



たったちっぽけな私に、沢山の気持ちをくれた。



だけど……


だけど……




「心の中に、秦がいた。
 今でも、いる。

 好きで、好きで、どうしようもなかった!!

 樹がいるのに!!

 こんな気持ちで、樹と付き合うなんて――最悪だ……!」

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