恋の華が舞う季節
でも気持ちはいつだって、結衣に向いていた。


その気持ちが通じたあの日。


すっげぇ嬉しくて、みんなに自慢したかった。


町の景色が、愛しかった。



結衣にやっと気持ちが伝わったのに、親からは、転校の事実。


俺は――



結衣に何もしてやれなかった。


幸せにすることでさえ、出来なかった。


結衣の笑顔でさえ、奪ってしまった。



最低だ。


そう思った時に、蜜柑から告られた。


このまま、最低な奴で終わらせてしまったら、きっと、結衣もアイツと幸せになれると想って、離した。


あの日。


結衣はそんな最低な俺に、事実を言ってくれた。
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