恋の華が舞う季節
「で、陸先輩は話、なんですか?」

「え、あ……」

 イキナリのフリに焦る。

 ここ、告っていいとこ?

 絶対ノリが君と違う。

 引かれるかな。

 
 でも、どうせ、俺、あと半年以上経てば卒業だし、学年違うし……大丈夫だよな?


 俺はぐっと手を握り締め、君をじっと見つめた。

 
 この一言で、何が起こるか分かんねー。

 
 そう言えば俺に告る女子も、こんな気持ちだったのか?

 
 初めて気がついた。


「俺……は、今……すげー言うの焦ってる。
 君にとって見れば、ホント、馬鹿みたいな話だよ。

 でも……俺……君の事想ってる。

 図書館へ寄るのも、本を読むフリをしたのも……君がいるから。

 好きだ」
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