恋の華が舞う季節
「結衣ちゃん! これ……葵君に渡して!!」
当時流行っていた、ラブレター。
小学校6年生になったばかりだというのに、女子の共通して考えている事は、恋愛系。
私は好きだとか、恋だとか、そんな感情に疎くて、おまけにめんどくさい事が大嫌い。
恋愛なんてしたくもなかったし、したいとも思っていなかった。
それに葵の完璧さは認めても、女子まで取り持つ必要なんて、ない。
「――私が渡しても……駄目なんじゃないかな?
きちんと、自分から渡した方が言いと思うよ」
「出来ないから、頼んでんじゃん! お願い!!」
それだけ言い放って、走ってどこかに行く。
いわゆる、言い逃げ。
みんな……私が曖昧な返事を出すから、それを利用する。
これで、葵にラブレターを渡すのは、何回目だろう。
「――はぁ……」
みんな、無責任だよ。
でも、あんなに赤くなって、本気なんだと思うと、何も出来なくなる。
とりあえず、放課後――
葵が帰ってくるのを、待っている。
毎日恒例だ。
当時流行っていた、ラブレター。
小学校6年生になったばかりだというのに、女子の共通して考えている事は、恋愛系。
私は好きだとか、恋だとか、そんな感情に疎くて、おまけにめんどくさい事が大嫌い。
恋愛なんてしたくもなかったし、したいとも思っていなかった。
それに葵の完璧さは認めても、女子まで取り持つ必要なんて、ない。
「――私が渡しても……駄目なんじゃないかな?
きちんと、自分から渡した方が言いと思うよ」
「出来ないから、頼んでんじゃん! お願い!!」
それだけ言い放って、走ってどこかに行く。
いわゆる、言い逃げ。
みんな……私が曖昧な返事を出すから、それを利用する。
これで、葵にラブレターを渡すのは、何回目だろう。
「――はぁ……」
みんな、無責任だよ。
でも、あんなに赤くなって、本気なんだと思うと、何も出来なくなる。
とりあえず、放課後――
葵が帰ってくるのを、待っている。
毎日恒例だ。