恋の華が舞う季節

帰り道

「……はぁ……」


衝撃的なあの発言によって私は焦って、何を自己紹介したか忘れてしまった。


しどろもどろに語った口調は、あまりにも見れるものじゃなかった。

気分は最悪。


なのに
何で、アイツが……隣にいるんですか?


「さっきは、ごめんな? でも本気だから」


「すみません。ごめんなさい。無理です。いや、むしろ迷惑です。消えてください」


「そう言わずに、この町に越してきたばかりなんだ。
 今日入学式で早く帰れることだし、この町案内してよ」


――は?



これ以上こんな奴と一緒にいたら、何を言われるか、分からない。


嫌なんですけど。


「――ってか、ついて来ないで下さい!
 貴方、おかしいです!!
 だから、どうせ私を笑いものにしたいだけなんでしょう?!」
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