恋の華が舞う季節
「――…………」



え。


嘘。



――秦……



秦はカーテンさえも閉めないまま、ぐっすりと眠っていた。


熟睡しきっている秦を見て、少し安心した。


もし起きていたら、私はまた、秦を傷つけそうだったから。



「秦……」


ここ数年で、秦は変わった。


中1のときは、まだ少し子供っぽかったのに。


段々男子らしく変わってしまった。


身長も何もかも……。
見る度に、思わず懐かしさがこぼれた。



「ごめんね……」
< 58 / 254 >

この作品をシェア

pagetop