恋の華が舞う季節
「瑠璃色に映し出すガラスのように

 憧れはいつもそばで揺れていて

 いとおしく見つめていても遠ざかる

 哀しみに胸が痛くなる

 瞳からあふれ出た一粒の

 涙のぬくもりを少し知ったよ

 けれどお願い どんな哀しみも

 羽ばたきを止めないで

 いつか陰りの消えた大空を

 一筋の軌跡を描いてきらめく

 飛行機雲のようにまっすぐ

 きっと生きてゆけるからね」



好きよ。


大好き。


葵も聴いてくれたかな?


私には、大切な物がある。


失いたくないものがある。


「――ずっと、聴きたかった……」
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