恋の華が舞う季節
秦の側に駆け寄る。


「目瞑って、左手出せよ?」


「何たくらんでんの?」


「秘密」


「目潰し! とか、やらないでしょうね?」


「やるわけねぇだろーが!」


「分かった」


私は目を瞑る。


そして、左手を出す。


何か……左手の薬指に違和感が……。



私は目をあける。


「これ……」


「俺からの、プレゼント。
 葵って奴に負けたくないからな」


「何言ってるのよ……」



嬉しい。


嬉しくて、涙が止まらない。


凄く、凄く嬉しいよ。



「泣き虫」


「だって、だって、だって~」
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