恋の華が舞う季節
「今は、そんな安物しか買えなかったけど、いつか、本物買ってやるから」


「これ、一生の宝物にするね。有り難う!!」


こうして私には――


2つの指輪が、ある。



「……俺、もしかしたら……」


そういう声が、か弱く聞こえた。


「え? 聞こえないよ?」


「何でもない」


そう言って、何だか寂しそうな顔をしたのが、今でも覚えてる。


この意味を知るのは、まだ先の話。



「じゃ、学校へ行こうぜ」


「うん」


私は気付かなかった。

この意味が――

幸せすぎたの。



「秦、大好き!」


「俺は、その倍だから」


「何よ~」


貴方の後姿も


隣に居れるのも


全部、私だけだよね――



これからも、未来も。
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