Secret door...



「あんたに教える必要ないじゃん」


初対面の相手に、しかもメンチ切った相手にそうとは言えず、


私はそう言った。



「素直にそうって言っておけば案内してやったのになー」



無駄に語尾を伸ばされたんだけど。

くそう…腹立つ……



「腹立つ…って思っただろ?お前考えてること顔に出すぎ」


なっ…!!!



「だっ…出してないし!!」



「お前、名前なんて言うんだ?」


「はあ?そっちが先に名の…」


「ああ、稚那か。」


私の言葉をさえぎりやがった…

しかもなんで名前知ってんの!!!?


「ケータイのキーホルダー、名前じゃん。」



「………………あ。」



またもやフッと鼻で笑われた。


ていうかこんなネコを殺すような残虐者に関わりたくないのに!


何ちゃっかり喋ってんだ自分!



そして、逃げようとした瞬間、




「ぎゃああああっ」



この残虐男にいつのまにかお姫様だっこをされていた。



「稚那…お前もうちょっとかわいげのある声だせねえのかよ…」



「気安く名前呼ぶな!この変態残虐野郎!」



「なんで変態なんだよ」


初めて至近距離で見た変態残虐野郎は、顔が整いすぎてて直視できなかった。


「し…っ…知らない人にお姫様だっこされる状況なんて相手は変態だけでしょ!」


「お姫様だっこされる隙を作ってた側も悪いんだからな?」



まあ、確かに…


て、何納得してんのよ私~!


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