my sweet love~second~



静かな病室に響いた電子音は
龍の体温計の終了を知らせた


「8度ね
点滴して帰るか?」

「いやー…疲れだから大丈夫」

「まぁ喘息も大丈夫そうだったから
心配はないけど…」

「サンキューな」

「おう
じゃあとりあえず智来るまで
横になってて
んで…柚」

「…へ?」
呼ばれると思ってなかったから驚いた

「ありがとな
でもちょっと無理しすぎたか?
心配したもんな」

「…ごめん」

「ううんいいよ
今どんな感じ?」

「気持ち悪くて…ちょっと痛い」

「お腹か?」

「うん…なんか胃痙攣?
起こる前みたいな…」


「締め付けられる感じ?」

「うん」

「そっか…よし。
とりあえず柚このままベッド運ぶね」


荘に運ばれて
ベッドの上で聴診と触診されて
熱を計られていた時…

ガラっ
「大丈夫か!」

慌ただしい音とともに智が
病室に入ってきた

「智うるさい。
病人二人いるんだから」

「あ、わりぃ
二人とも大丈夫か?」

「龍は8度。まぁ多分大丈夫
柚はちょっとな…
点滴入れようかと思ってたとこ」

「そっか…」

「とも…まじごめん
わざわざさんきゅ」
そう言いながら龍は
辛そうな顔で体を起こした


「いやいや全然。
まぁ俺の言うこと聞けってことだな笑」


「俺点滴取ってくるから智よろしく
柚もし吐きそうだったら我慢しないで」



< 410 / 491 >

この作品をシェア

pagetop