世界に1つだけの幸せを。
ガタンッ

急に電車が揺れ、足がふらついた。
と、同時に足元に転がってきたボールペン。


「陽?なにそれ?」
「さあ…」


よく見ると、ピンクのハート模様で、いかにも女って感じだった。

「あ…あの…」


突然声をかけられ、顔を上げると

黒くて長い髪を緩く巻いて、軽い化粧をした背がちっちゃい小動物みたいな女。


同じ制服を着てるから、一緒の高校なんだろう。



「あの、ごめんなさい。そのペンあたしので…」

「あ、あぁ。はい。」



なんでぎこちなくなってんだ。

や、決してこの女が好みだからとかじゃねえぞ。


「ありがとうございます!」

そういって、ちょっと離れたところにいる数人の女のところに戻って行った。
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