トビラの向こう側


『半年前ふらふら歩いているところを保護されたんだ。
軽く腕と足にケガをしていてね―…』



事情を聞いたが直ぐに連れて行くのは無理なようだ。


『そちらの言う事情は分かりました。
とりあえず、これを置いて行きます』



携帯電話の番号を名刺に書き込み渡した。


『近いうちにまた連絡します』



まさか記憶喪失になっていたなんて…



無理やり、連れて帰るわけにも、いかねぇか……。

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