トビラの向こう側
「聞いてるのか?」
「あっ、ごめんまだボーとしてて」
「これから親父の会社に行って来る。
もしかしら遅くなるかもしれない」
「遅くなる…の?」
「しばらく一人にさせるけど待ってられるか?」
「大丈夫です」
私の返事に安心したのか彼は行ってしまった。
私は彼が行ってしまったのを確認するとベッドから出た。
アパートから持って来た荷物をまとめ始めた。
どうして、また目の前に現れた駿に恋しちゃったのかな…。
また、こんな辛い想いをする事になるなんて…。