トビラの向こう側


私は荷物をまとめ終わると、あるはずの合鍵を探した。


記憶通りの所にあった。



簡単な書き置きを残す事にした。


最後に汐里と記した。


もう二度と会うつもりはない駿に記憶が戻った事は知らせる必要はないから。



どうして目の前にまた現れた駿を好きになっちゃったのかな?



駿と高城まりあさんの邪魔はしないからね。


だから私の事は、忘れて幸せになってね。



今度こそ、さよなら駿…――。


玄関から出て鍵を締める、一旦ポケットにいれた。


下の階に降りて郵便受けに鍵を入れた。


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