トビラの向こう側
待ってるよと言ってくれた店長には本当に申し訳ないけど。
駿がいる限り戻る事はない。
玄関でもう一度挨拶をして外に出る。
階段を降り始めた時玄関から店長が出て来て呼び止められた。
「 汐里ちゃん」
振り返ると…
「ごめんね!汐里ちゃん」
「???」
何を謝っているのかな?
首を傾げた私に軽く手を振ると中に入ってしまった。
どこに行こうか?
とりあえず、電車に乗って――…。
階段を降りて駅の方に足を向けた。
「汐里」
えっ?