トビラの向こう側
夢を見ていた。
私はドアの前に立っていた。
ドアの向こうから誰かが私の名前を呼んでいた。
「私はここだよ」
そう返事をしたら、ドアが開いて駿が立っていた。
そこで夢は途切れた。
夢から覚めたら、まだ駿の腕の中にいた。
駿は優しく私を見下ろしていた。
私の額に…頬に唇を落としていく。
「やっと俺の元に戻って来たんだな。
もう、黙っていなくったりするな」
「駿、もう、どこにも行かないから。
ずっと傍にいるよ」
だって…貴方の傍にいる時が幸せなんだって分かったから。
駿…私を探してくれてありがとう。
貴方の元に戻る事ができて良かった。
-END-