トビラの向こう側
「……」
彼の顔が間近に迫ってきた、じっと見つめる瞳にすいこまれそうになる
私の頬に彼の唇が近づいてきた。
な―…何!?
「記憶がないんだって?」
え?
「だからって店長の優しさに甘えんな」
店長さんに甘えているつもりなんてない。
「そんなつもりは……」
「違うって言うならもう簡単なミスなんかするなよ」
しばらくその場から動けなかった。
高遠さんの一言が胸に突き刺さったように痛かった
私なりに反省しているのに。
何故か嫌われてるみたい。
彼は私に冷たい態度だし……。
やっぱり嫌われてるよね。
まずい、目に涙がたまってきちゃった。
ここで泣いちゃいけない家まで我慢しなきゃ。