トビラの向こう側
「………」
何の応答もしてくれない高遠さんに……
不安を感じ心の中で自問自答した。
私…何か間違った事言った?
ううん、間違ってなんかない。
「はぁー… お前分かってなかったのか…」
彼は自分の髪を手でクシャクシャとかきあげてから呆れたように私を見た。
分かってない?…
でも、だって何も言われてないもの。
「あのな~、好きな女じゃないなら、あんなに必死になんかならねぇよ。
お前だから…」
私を好きって事だよね。
すっごく嬉しいよ。
「おい、へらへら笑うな不気味だ」
不気味って…それはちょっと酷いです。