トビラの向こう側
途中でレストランに寄って夕食を済ませた。
向かい合わせに座った高遠さんは相変わらず不機嫌で……。
マンションに帰ってからも、重苦しい空気が漂っていて…。
やっぱり、もう一度謝ろう。
「高遠さん今日はごめんなさい」
「……」
返事も返してくれないんだ。
もう、どうしたらいいか分からなくて立ち尽くしていた。
「奥の部屋がクローゼット収納家具があるから荷物を片付けて来れば、それとシャワー浴びたかったら先に行けよ」。
高遠さんは一度も私の方を見てくれなかった。
とりあえず荷物を持って奥の部屋に行ってみた。
そこには壁の色と同じ白い洋服ダンスが置かれていた。
荷物を収納して、タオルや必要な物を持って浴室に向かう。