前髪少女の秘密?!
「…あれ?」
保健室へ行くと保健医はいなかった。
まぁいいかと思ってそのままベッドに高野を寝かせる。
…まーったく起きない。
いやね、健全な男子高校生…。
気が起きない訳がない。
けどね…ここは我慢。
でも、ちょーっとした興味って、わかない?
……前髪を避けてみたいとか。
俺は高野が全く起きる様子がないのをいいことに、高野の前髪に手を伸ばした。
染められてない地毛の茶髪は、長いのにサラサラだ。
ゆっくり、起きないように前髪を端によけた。
……………。
「え゛?」
思わず間抜けな声を発してしまった。
「んっ…」
やばっ、起きる…?!
と思ったけど寝返りをうっただけだった。
あっぶねぇ…。
俺が驚いた理由はただ一つ。
…高野の寝顔が総長とそっくりだったからだ。
いや、そっくりなんてもんじゃない。
そのまんまだ。
総長の寝顔が意外すぎて眼に焼き付いていたから分かる。
総長…だ。